ガス室が満杯で死を逃れ、別の人生を歩むことになった子犬。6年後の勇ましい姿に人間は頭が上がらない。

衝撃, 話題

4月14日。

熊本県にて未曾有の大地震が発生。

今もなお被災地は

避難所生活を強いられる状況です。

そして、この震災によって数多くの

死傷者も出ており、全国各地から救援を

頂いている現状でも、物資や人手不足が

続いているようです。

そんな支援の中、多くの人間を助けるために、

ある動物が熊本県へ投じられました。

それは、【災害救助犬】

災害時に人命救助を行うため、

特別な訓練を受けている彼らは、

いち早く現場に駆けつけ、がれきや土砂の中から

一人でも多くの命を見つけ出すという任務をこなします。

今回発生した熊本地震でも災害救助犬が出動。

その中に、以前話題を集めた一匹の犬、

『夢之丞』の姿もあったのです。

夢之助は殺処分寸前のところで団体に拾われ、

災害救助犬になったと注目を浴びました。

また、かつての災害時に大活躍したとして、

表彰を受けるほど勇ましい姿を見せたそうです。

今回、そんな災害救助犬「夢之丞」についてご紹介します。

2010年11月。

紛争や災害の人道支援をしているNGO

「ピースウィンズ・ジャパン」のスタッフが

夢之丞に出会ったのは、広島県にある

動物愛護センターを訪れた時でした。

ふと目にしたガス室前に置かれた処分用ケージの中で、

生後3〜4ヶ月の子犬が小さくうずくまって震えていたそうです。

その子犬はガス室が満杯になったことによって、

殺処分される日が翌日へと延期されたところでした。

この子犬は恐怖からか表情は一切無く、

抱え上がると殺処分の順番と思ったのか、

体を震わせて失禁してしまったとのこと。

ピースウィンズ・ジャパンはこの子犬と、

他にも子犬を数匹譲り受けました。

目的は災害救助犬の育成。

この奇跡的に殺処分から免れた子犬は、

通称ドリームボックス(殺処分設備)から生還し、

夢と希望を託す意味で

「夢之丞(ゆめのすけ)」と名付けられました。

しかし、最初は心を閉ざしてしまい、

人間への恐怖心からケージから

出てこれないほどだったそうです。

そんな状態が続き、人間に対する

不信感が和らぐのに1年かかりました。

この臆病な性格から夢之丞は救助犬には

向かないと言われていましたが、4年の訓練を乗り越え、

有能な救助犬へと成長していったのです。

そして、2014年、ついに初めての出動を迎えました。

出動先は、同年8月に発生した広島土砂災害の現場。

多数の死者と行方不明者が出た安佐南区八木地区で、

泥にまみの懸命な捜索活動が続けられます。

そして20日、押し潰された家屋から

夢之丞は1人の男性の遺体を発見。

木に押し潰された民家に駆け寄り、立ち止まったまま

操作者をじっと見つめ「ここいる」と伝える様子は、

訓練通りの動きだったそうです。

そして2015年4月、夢之丞はこの現場での活躍が評価され、

人命の救助等に貢献した動物に贈られる

「第7回日本動物大賞 功労動物賞」を受賞したのです。

その後、夢之丞は活躍の場は日本に留まらず、

2014年末に台風で甚大な被害を受けたフィリピンや

2015年4月に発生したネパール地震など、

海外で起きた災害の救助にも向かっています。

災害救助犬は、怪我をしようとも体が

汚れようとも、決してひるむことはありません。

夢之丞は、ずっと人の命を救うために働いてくれていたのです。

そして、今月発生した熊本地震の現場にも、

夢之丞の姿はありました。

発生から11時間後には現場へ到着しており、

荒れた道路を歩きながら安永地区での

捜索活動に参加していたのです。

この危険な状態が続く中、夢之丞たちの

捜索活動は17日まで続けられました。

一度は人間の手によって、殺処分される寸前までいった夢之丞。

しかし、再び人間に命を助けられ、

人命救助を行う姿に多くの人が心動かされたのではないでしょうか。

現在日本では12万頭以上の犬やネコが殺処分されています。

ピースウィンズ・ジャパンはそういった殺処分を

無くしたいという思いから、捨て犬たちを社会に

役立たせるために引き取り、訓練をしているそうです。

この夢之丞などの災害救助犬の存在が動物たちの

命について考えるキッカケになるといいですね。

レスキュー隊員の方々、夢之丞、救助活動ありがとうございました。